冬が深まると、どうしても重ね着が増えてシルエットがもたつきがち。
「暖かさは欲しいけど、鏡を見るたびに“太って見える…”とガッカリする」なんて声もよく耳にします。
特にアウターは全体の印象を左右するアイテムだからこそ、着ぶくれせず、すっきり見えるものを選びたいものです。
でも、闇雲に「細身のコート」や「黒いダウン」を選んでも、必ずしもスタイルアップに繋がるとは限りません。
実は、着ぶくれしないためには、デザインや素材だけでなく、体型との相性や着こなし方にもコツがあるのです。
今回は、冬でもスッキリ見せが叶う、賢いアウター選びのポイントを3つに分けてご紹介します。
寒さもおしゃれも妥協せず、着ぶくれ知らずの冬ファッションを楽しみましょう。
1. 素材と中綿の“厚み”より“構造”に注目する
冬アウターといえば、まず注目されるのがダウンや中綿入りの防寒性。
けれども「暖かい=分厚い」というイメージに引っ張られすぎると、見た目にボリュームが出て着ぶくれの原因に。そこで注目したいのが、素材そのものの性能とアウターの構造です。
最近では、軽量なのに保温性が高い素材(エアロゲル、シンサレート、ウール混素材など)を使ったコートも増えてきました。中綿がたっぷりでも、縫製で体のラインを拾いやすく設計されているアイテムなら、ボリュームを感じさせません。
また、縦のラインを強調するキルティングや、ウエストにベルトがついたトレンチ風ダウンなどは、視覚的に縦長の印象を与えてくれます。
表面のテカリが少ないマットな素材や、落ち感のあるウール素材も着ぶくれしにくい傾向があるので、デザインだけでなく素材とシルエットの相性を意識するのがポイントです。
2. 自分の体型に合った“丈感”と“ライン”を選ぶ
着ぶくれしないアウター選びで失敗しやすいのが、丈感やラインの選び方。
「なんとなく流行っているから」「無難に見えるから」と自分の体型に合わないアウターを選ぶと、逆に着ぶくれて見えたり、重たく見えてしまいます。
たとえば身長が低めの方は、ミドル丈〜ヒップ下くらいの長さで、縦にすっきり落ちるストレートラインのコートが好相性。ロング丈でもサイドスリット入りや軽やかな素材を選べば、足元まで重たくならずに着こなせます。
逆に高身長の方は、ロング丈のチェスターコートやダウンコートで大胆にまとめると、自然にスタイルアップが可能。ダボッとした印象を避けたいときは、Iラインを意識したシルエットを選ぶと、着太り感を軽減できます。
肩のラインも見逃せないポイント。ドロップショルダーやラグラン袖は華奢見えに効果的ですが、肩幅が広めの方が選ぶと逆効果になる場合もあるため、試着時に鏡で正面と横からのバランスをしっかり確認しましょう。
3. インナーと合わせて“抜け感”を作るのが鍵
アウター単体で着ぶくれしにくいものを選んでも、合わせるインナーや小物次第で印象は大きく変わります。
特に冬は、インナーが重ね着で厚手になりがちなので、コーディネート全体で“抜け感”を作ることが重要です。
まず意識したいのが首まわり。ハイネックやマフラーで首元をしっかり防寒してしまうと、顔周りにボリュームが出て詰まった印象になります。
タートルネックなら細リブタイプやモックネックにする、マフラーは細めのものをゆるく巻くなど、軽さを出すとスッキリ見えが実現します。
また、ボトムに細めのパンツやスカートを合わせて、上下でメリハリをつけるのもおすすめ。
足首や手首などの“細い部分”を見せると、体全体が軽やかに見える効果もあります。
色使いでも抜け感は作れます。全体をダークトーンでまとめがちな冬こそ、白やベージュ、ライトグレーなどの柔らかい色を挿し込むことで、抜けのあるバランスに仕上がります。
冬のおしゃれは“重ねる”から“引き算する”へ
着ぶくれを防ぐには、やみくもに薄くするのではなく、構造・シルエット・コーディネートのバランスを整えることが大切です。
防寒とスタイルアップを両立させるためには、単に「細く見える服」ではなく、「自分の体に合った見え方を知ること」がポイントになります。
今回ご紹介した3つのコツをおさらいすると、
・素材や構造にこだわったアウターを選ぶ
・自分の体型に合った丈感とシルエットを見極める
・インナーや小物で抜け感を演出する
この3点を意識すれば、着込んでもすっきり見える“冬のおしゃれ上級者”に近づけます。
寒さに負けず、おしゃれも楽しむ。そんな冬ファッションを、ぜひアウター選びから見直してみてください。