寒い季節こそ至福の旅。鍋が絶品の名宿、教えます。

旅行

冬になると、温泉と並んで恋しくなるのが、あたたかい鍋料理。
旅先でいただく湯気立つ鍋は、寒さを忘れさせてくれるごちそうであり、その土地の旬の味を堪能できる“食の楽しみ”でもあります。

せっかく冬に旅に出るなら、冷えた体をじんわり温めてくれるおいしい鍋料理がいただける旅館を選びたいもの。とくに、日本各地には地域ごとに特色のある鍋料理を提供する宿があり、ただの宿泊では味わえない“冬だけの贅沢体験”が待っています。

今回は、そんな「鍋が絶品」と評判の名宿を3つご紹介。
雪景色や温泉、落ち着いた和の空間とともに、心もお腹も満たされる冬旅のヒントにしてみてください。

冬の王道、かにすきと温泉が楽しめる城崎温泉「西村屋本館」(兵庫県)

冬の味覚の代表格といえば、やはりカニ。
なかでも兵庫県・城崎温泉の「西村屋本館」は、かにすき鍋を中心とした冬の会席料理が人気で、多くのリピーターに愛されている老舗旅館です。

ズワイガニを丸ごと一杯使用した「かにすき鍋」は、昆布だしにくぐらせることで旨みが引き立ち、カニ本来の甘みが口いっぱいに広がります。カニの甲羅焼きや天ぷらなども一緒に味わえる贅沢なコースは、まさに冬のご褒美。

建物は純和風の木造で、落ち着いた雰囲気と風情ある庭園が魅力。さらに、外湯めぐりが楽しめる城崎温泉街にありながら、館内にはゆったりとくつろげる大浴場も完備されています。

旅館でカニ、温泉街で湯めぐり。冬の幸せをぎゅっと詰め込んだような旅がここにはあります。

地元食材の旨みを堪能。
比内地鶏きりたんぽ鍋が名物の「妙乃湯」(秋田県・乳頭温泉郷)

秋田県・乳頭温泉郷に佇む「妙乃湯(たえのゆ)」は、地元の山と水に囲まれた秘湯の名宿。
ここの名物は、秋田を代表する郷土鍋「きりたんぽ鍋」。香ばしく焼かれたきりたんぽを比内地鶏のだしにじっくりと煮込み、セリやごぼう、きのこなど地元の野菜と一緒に味わいます。

比内地鶏のコク深いスープが、冷えた体を芯から温めてくれる一杯。
優しい味わいながらもしっかりとした旨みがあり、旅館の囲炉裏風の食事処でいただくそのひとときは、まさに“冬の郷土を食べる時間”です。

妙乃湯は泉質の異なる二種類の温泉を楽しめることでも有名で、金の湯・銀の湯と名づけられた湯は肌にやさしく、雪景色を眺めながらの露天風呂は格別。

食と湯、そして静けさが揃った“冬の静養地”として、心身ともに癒されたい方におすすめです。

まるで料亭の味。ふぐちり鍋を堪能する「春帆楼 本館」(山口県・下関)

ふぐといえば下関。
その中でも格式高く、ふぐ料理の元祖とも呼ばれるのが、山口県下関市にある「春帆楼 本館」です。
伊藤博文も愛したとされる老舗料亭旅館で、ふぐの刺身(てっさ)とともに、名物のふぐちり鍋がコース料理として提供されます。

ふぐちりは、昆布だしでさっと煮たふぐの白身をぽん酢でいただくシンプルな鍋。
その分、素材の鮮度と包丁の技がものをいう逸品で、ぷりっとした食感と淡泊ながら奥行きのある味わいが特徴です。締めの雑炊まで含めて、料亭ならではの丁寧な味わいが堪能できます。

宿泊者は、ふぐ料理フルコースに加え、源泉かけ流しの内湯や海沿いの静かなロケーションも楽しめ、特別な日にぴったりの“ごちそう旅”が叶います。

少し贅沢な旅を計画している方には、記憶に残る体験になるはずです。

あたたかさとおいしさを同時に楽しむ、冬ならではのご褒美旅。

冬の旅は、空気の澄んだ風景や温泉ももちろん魅力ですが、
その土地の旬の食材を使った鍋料理を味わうことも、かけがえのない思い出になります。

今回ご紹介した宿は、いずれも「食」と「滞在」をセットで楽しめる名旅館ばかり。
外は寒くても、鍋を囲み、湯に浸かり、非日常を感じながらのひとときは、心に残る冬の旅になるはずです。

次の旅行は、あたたかい鍋料理を目的に宿を選んでみませんか?
寒さを忘れる、そんなごちそう旅へ。心と体を芯から満たしてくれる、冬ならではの旅がきっと待っています。